最近になって聞くようになったワード「筋膜リリース」
運動やエクササイズに興味がある方は一度は耳にしたことがあるかもしれません。
筋膜リリースは、全身のコリや痛み、姿勢の悪さといったカラダの不調を整えるだけでなく、関節の可動域を拡大して運動のパフォーマンスを上げる効果が期待できることでアスリートのトレーニングにも取り入れられているほどです。
そんな筋膜に関する、筋膜リリースの効果、効率的なやり方をご紹介します!
目次
筋膜とは?
筋膜は筋肉を包んでいる膜のことです。
たとえば、鶏のモモ肉や胸肉を思い浮かべると分かりやすいのですが、鶏皮をめくると皮と肉の間に薄い半透明の膜があります。これが「筋膜」で、ヒトの場合も同じです。
鶏皮はすなわち皮膚、そして肉の部分が筋肉で、その筋肉を包み込んでいるのが筋膜です。
筋肉は1本1本の細かい繊維でできてて、それが束になっているのでその束を包む膜が必要です。さらに筋肉と筋肉をつなぎとめるのも筋膜です。
こうして筋膜は頭から手や足の先まで全身につながり、筋膜以外を溶かしてもカラダの形が残るということで「第2の骨格」ともいわれる重要な存在です。
筋肉を正しく動かすためには、これら筋膜が柔軟に動くことが必要なのです
筋膜はコリ・張り・痛みの原因になる
悪い姿勢や、偏った動作を長時間続けていると、体への負担が一部分に集中して筋肉が固まり、それにともなって筋膜も固くなります。
そうすると、筋膜はよじれてこわばり、筋膜の上にある皮膚と筋膜の下にある筋肉がそれぞれ動きづらくなります。
筋肉の可動域が制限されることにより、十分な筋力を発揮できなくなったり、柔軟性も悪くなって、運動のパフォーマンスの低下を引き起こします。
これが原因でケガを引き起こすこともあります。
また、こうした筋膜のよじれやこわばりは、カラダのこりやはり、痛みの症状にあらわれます。
そのため、筋膜リリースをすることにより、筋膜と筋肉をリラックスさせてケガがや痛みの予防をした方がいいのです。
筋膜リリースとは?
リリースとは「制限を解除する」「解きほぐす」という意味を持つ言葉です。
つまり「筋膜リリース」とは、よじれてねじれた筋膜を解きほぐすことを目的としたメソッドです。
筋膜リリースは、筋膜のねじれやよじれを自分自身で時間をかけてリリースすることで元に戻します。
ゆっくりと解きほぐし、筋と筋膜の正しい伸張性を回復させ、筋肉が正しくスムーズに動けるようにしてカラダの不調を整えるまさに “治療(セルフメンテナンス)”なのです。
固まってしまったところを優しく解放してあげてください。
筋膜リリースの効果は?
腰痛・肩こりなどの改善
肩や腰は長時間同じ姿勢でいると筋肉に負担がかかってしまいます。そこが痛みを与える原因になります。
筋膜リリースをすることで、正常な筋膜に戻り腰痛や肩こりなどの改善も促します。
血流の改善
筋膜が硬くなってしまうと、血流を悪くすると言われています。
そこで、筋膜をリリースしてあげると今まで圧迫されていた血管などがリリースされ血流の改善に繋がります。
筋膜リリースの方法
鼻肩回し片腕伸ばし筋膜リリース(20秒以上3回ずつ)
イスに座り、首を倒す側と反対側の肩を片手で押さえます。
伸ばした手は、肩から指先を斜め後ろ下方に向け、床の中にもぐり込ませるイメージで。首はアゴを引いたまま横に倒します。
鼻を肩に近づけるように20秒以上リリースします。反対側も同様にリリースしましょう。
押さえた肩があがってしまったり、首を倒した側にカラダが曲がってしまうのはNGです。
筒状に伸ばすL字筋膜リリース(30秒以上3回)
両手をテーブルにのせてカラダを前に傾け、体重を支えます。
両足は筒のように伸ばし、床の中に入り込むようなイメージで。
お尻と一緒に上半身を腕の方に伸ばして30秒以上リリースします。
尾骨を中心にカラダを上下に筒状に伸ばすイメージで股関節をしっかり曲げることがポイント。慣れてきたら時間を延ばしていきましょう。
アゴがあがる、腰が丸まってしまう、お尻が前に出すぎる、逆に後ろに突き出るのはNG。
シェー筋膜リリース(30秒以上、左右3回ずつ)
片方の手をテーブルに置き、反対側の手を頭上に伸ばします。そのとき、手のひらは正面に。
そして、テーブルの外側の足を前にして、両足がヒザの前後で密着するように交差させます。後ろにした足は動かさず、前にした足は床の中に入り込むようなイメージで。
頭上の手をテーブル側に倒していき、カラダ全体の横側を30秒以上リリース。左右を各3回繰り返します。
左右でやりにくい側がある場合、時間をかけてほぐすようにすると、腰の横側に痛みがある人は楽になります。
このとき、左骨盤が挙上しないように、左足がしっかりと床に入り込む意識が大切です。
交差した足が床から浮いたり、その側の骨盤があがる、交差した両足がヒザの前後で離れてしまうのはNGです。
バレリーナ筋膜リリース(60秒以上、左右3回ずつ)
右足を軸に体重をかけ、左足を後ろにヒザを軽く曲げてつま先だけ床につけます。曲げたヒザは、立っている側のヒザの横にくるようにします。
このとき、左ヒザが右ヒザの少し前にくるようにし、両ヒザの間は空けてヒザ同士がくっつかないようにします。
右の手のひらを顔側に向けて天井へと伸ばし、左の手のひらを外側に向けて後ろに回してヒジを外に向けるイメージで肩を下げながら床に向かって30秒以上リリース。
そのとき、あげたヒジが外側に引かれているとダメで、ヒジはカラダの中央線上を通ります。
さらにカラダを左にひねり、30秒以上リリース。
左ヒザが後ろに引かれないよう注意し、反対側も同様に左右で各3回繰り返します。左右でやりにくい方を、時間をかけてほぐすようにしましょう。
カラダ全体が上下に正しく伸び、カラダの芯が整い、姿勢が若返ります。
あげた手のヒジが外側を向いたり、手のひらの向きが逆になったり、左ヒザが後ろにいくのはNGです。
フォームローラーを使ったふくらはぎの筋膜リリース
- フォームローラーの上に片足を乗せる
- ふくらはぎから足元までフォームローラーを10~15秒ほど転がす。
- この方法を各2~3セットずつ
筋膜リリースを行なう上で意識したいポイント
カラダのさまざまな方向へ解きほぐす意識で行なう
全身のつながりを感じながらカラダの内側に意識を集中してじっくり、ゆっくり行なうのがポイント。
気持ちよくカラダを伸ばして90秒〜3分間
「痛気持ちいい」と感じるぐらいで、少なくとも90秒以上時間をかけてゆっくりとリリースします。
最初は20〜30秒から慣らし、だんだん時間を伸ばしていきましょう。
午前・午後・入浴後の1日3回を目標に
できればこまめにカラダの緊張をリセットするのが理想です。
スキマ時間を見つけて1日3回のリリースを目指しましょう。
入浴すると、筋膜が硬くなっている部分のヒアルロン酸が緩み、筋膜がほぐれやすくなります。
リリース後は常温の水をコップ1〜2杯
リリース後は、組織内に蓄積した有害物質や老廃物を流し去り、常温の水をコップ1〜2杯飲みましょう。
筋膜リリースを効果的にする方法
筋膜リリースを効果的に行う筋膜リリース機器を使った方法です。
先ほど紹介したフォームローラーなどの筋膜リリース機器は、効果的に筋膜リリースをする上で重要なグッズになります。
そのため、筋膜リリース機器を効果的に使っていきながら、ケアをすることがおすすめです。
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まとめ
筋膜を優しくリリースをしてあげて、第2の骨格である筋膜を整えて、痛みのない元気なカラダをつくりましょう。